もとより私達の製品は、その初期段階に『価格破壊』として大きく新聞報道されたこともあり、中小規模金融機関・一般事業法人等バイサイドのお客様に支えられてきましたが、新製品Apreccia.3(アプレシア・スリー)のリリースにあたり、改めて『バイサイド指向』を以下のように明確化することにしました。
- 操作性の基準
- 取引構造を直感できる入力方式であること
- 高度な金融工学を要することなく操作できること
- 評価モデル選定の基準
- パブリック・ドメインから論文・解説書を入手できること
- 私達自らが設計、実装、保守できること
- PL(市販プライシング関数ライブラリ)利用の基準
- PL利用箇所を利用者が識別できること
- PL供給元がサポートを保証できる機構を提供すること
新しい評価モデルを必要とする取引に対処する場合、私達は与えられた時間制約の中で、2の基準が満足できない時には、積極的に3の基準でPLを取り込みます。但し、Apreccia.3は従来的手段とは明らかに異なるXLSior 機構(エクセルシオール)でこれを実現します。
一般に、PL製品は
(1) プログラマー向けDLL(Dynamic Link Library)
(2) エンドユーザー向けExcelテンプレートシート
の2つの形態で提供され、DPMS製品の製造業者は、(1)に独自画面等を被せて製品化します。当然この画面は、PL供給元の責任範囲を越えるため、エンドユーザーを直接サポートすることはできません。他方、(2)はPL供給元がエンドユーザー利用を想定して提供するものであるため、(通常)直接サポートを受けられるという大きなメリットがあります。
サポート構造の単純化という観点では、(2)の形態が望ましいことは誰の目にも明らかですが、そこで提供されるテンプレートシートは、主に取引をExcel上で1件毎にプライシングする用途に提供されるものであるため、
- 時価評価、リスク分析等の評価計算
- 権利行使、受け払い、値決め等のイベント管理
- アクセス制御の認証管理
- 世代・履歴等の証跡管理
- 外部アプリケーションとの連携
など、金融機関や企業財務部門が必要とする統合管理機能を実現するためには、多くの技術障壁を解消する必要があり、利用者自らが(1)を躊躇なく利用できることを前提としてよいセルサイド指向のシステム開発業者には、サポート構造の単純化というメリットだけでは経済合理性に適いません。これに対して、私達はバイサイド指向のシステム開発業者であるため、サポート構造の単純化が主要な課題の1つであり、多くの開発リソースを投入することに経済合理性があります。
このように、セルサイド指向のシステムとバイサイド指向のシステムは、経済合理性の基準が異なるため、開発業者は自らのシステムがどちらに向けたものであるのかを明確にすべきと考えます。私達は、従来よりバイサイド指向で開発に取り組み、90年代後半にXLSiorの原型となる製品を金融機関で稼動させ、以降改良を重ね現在のそれは第三世代にあたります。